【ネタバレ注意です】 【第7巻 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 これまでの目次】 第22章のあらすじ ハーマイオニーの機転で、辛くもデスイーターから逃れることができたハリーたち。ルナのお父さんから聞いた「死の秘宝」にまつわる話を整理していくうち、ハリーは、伝説の3人の兄弟と自分との間に意外な接点があることに気づく。現実的に考えたがるハーマイオニーや、ホークラックスの破壊から全うしようと言うロンとは、まったく意見が合わなくなっていた。そんなある日、ロンはハリーを支持する仲間たちが放送しているラジオ番組の周波数を見つける.。懐かしい友の声、同志の声を聞いているうちに恐怖心が薄れてしまったハリーは、禁じられていたヴォルデモートの名前をとうとう口にしてしまった...........!! 第22章のはじまり 第22章は、こんな英文ではじまります。 Harry fell, panting, onto grass and scrambled up at once. こんな風に訳してみました。 喘ぎながら芝生の上に転がり落ちたハリーは、すぐ立ちあがった。 1) panting ... あえぐ 2) scramble ... はいまわる、かき集める 危機一髪で、ハリーたちはルナの家から脱出しました! 2度目の爆発と思わせてデスイーター2人を追い出し、すぐさま「姿くらまし」するという機転をきかしたハーマイオニーのお陰です。隙のない彼女は、もう保護の呪文を3人の周りにかけながら歩きまわっています。 「きみは天才だよ! あそこから抜け出せるなんて、信じらんないぜ!」 ロンは、べた誉めです。 「でもさ、なんでボクを(透明マントで)隠したんだ?」 すると、ハーマイオニーの素晴らしい計算があきらかに。 「あなたは療養中ということになっているのよ、ロン。ルナがさらわれたのは、彼女のお父さんがハリーを支持していたからだわ。あなたがハリーと一緒にいることがバレたら、あなたの家族がねらわれてしまうじゃない」 「でも、きみのママとパパは?」 「2人とも、オーストラリアにいるわ。安全なはずよ。何にも知らないんだから」 「きみって、天才だよ」 と、畏敬の念をあらわしてロンが言います。 読者の私たちだって、思ってますよ〜。ハーマイオニーって、本当にすごいっ! あれだけの短い時間に、ドタバタと緊張した中で、ロンの家族を守りつつ、ハリーを無事に脱出させるなんてダンブルドア並み。ジーニアス。 そんな彼女は、 「ああ、行かなきゃよかった!」 と、後悔してます。 ルナのお父さんから聞きだした『死の秘宝』の話は、単にハリーを引き止めておくためのでっちあげだと思っているようです.............が、やんわりと反論するロン。 「精神的にまいっているときに、でっちあげの話なんて作れないんじゃないかな? ボクがスナッチャーに捕まったとき、そうだったから。ルナのお父さんは切羽詰っている状態だったし、きっと真実を話したんだと思うよ。少なくとも、真実だと自分が信じてる話をね」 でも、ハーマイオニーは頑なに否定します。 ・いかに人は死を恐れるかについて述べた物語に過ぎない ・死者を蘇らせる魔法もないのだから、復活の石などありえない 「パバレルについて書かれた本は、あまりないの。おそらく、男系が途絶えているのね。パバレルも早くに途絶えた家系なのかもしれないわ」 「男系が途絶える?」 「つまり、名前がね」 と、ハーマイオニー。 「子孫はいると思うのよ。今は違う名で呼ばれているんだわ」 第22章がわかる英文チェック 次の5つの英文を読めば、この章がわかるかも!? And then it came to Harry in one shining piece,the memory that had stirred at the sound of the name "Peverell": a filthy old man brandishing an ugly ring in the face of Ministry occicial, and he cried aloud, "Marvolo Gaunt!" こんな風に訳してみました。 そのとき、「パバレル」という名の響きとともに、ハリーの脳裏にある記憶が鮮やかによみがえった。魔法省の役人に不恰好な指輪を見せびらかしていた汚らしい老人.....。ハリーは大声で叫んだ。「マルボロ・ゴーントだ!!」 1) stir ... かきたてる、(記憶を)呼び起こす 2) filthy ... 汚れた、不潔な、下品な 3) brandish ... 見せびらかす 「なんだって?」 と、ロンとハーマイオニー。 「マルボロ・ゴーントだよ! あいつのお祖父さんだ!」 あいつとは、ヴォルデモートのことです。第6巻で、ダンブルドアと一緒にヴォルデモートの過去をたどっていたハリーは、彼のお祖父さん(母方)であるマルボロ・ゴーントを思い出したのです。ゴーントは、「自分はパバレルの子孫だ」と言っていました。ハーマイオニーの言うとおり、パバレルの姓は途絶えても、その子孫が生きていたのです。次男の石を指輪にして! ヴォルデモートは、その指輪をホークラックスにしたのです。 パバレルの紋章がついた、復活の石を。 ちなみに、英文にあるcoat of arms というのは、「紋章」という意味です。 ハリーは、すべてがつながったと確信しました。 ヴォルデモートの家に代々伝わっていた指輪、あの指輪が「復活の石」だった。ダンブルドアは、既にそれを壊している。 3つの死の秘宝をもつ者......打ち砕かれるべき最後の敵は、死なり.....。これが答えなのか? これは、死の秘宝とホークラックスの戦いなのか? 3つの秘宝をもつ者は、死神をも恐れずにすむのか。秘宝の所有者になれば、ボクは死なずにすむのか? ハリーの頭は大忙し、取り出した透明マントをそっと撫でながら考えています。すると、ある記憶が。 「ダンブルドアは、父さん達が殺された晩、このマントを持ってた。母さんがシリウスに宛てた手紙に、そう書いてあった! だからだ! 調べていたんだよ! このマントが3つ目の秘法だと気づいたんだ。(マントを死神から手に入れた)イグノタス・パバレルは、ゴドリックの谷に眠っている.....。 彼は、ボクの先祖なんだ。ボクは....3人目の兄弟の子孫なんだ。すべてがつながる!」 どんどん突っ走るハリーです。それでも否定し続けるハーマイオニーに、ハリーはリリーの手紙を見せようとしました。その手から、何かがコロリと床に落ちました。ダンブルドアからもらった、あの古びたスニッチでした。 ハリーは、はっとします。 「この中だ! ダンブルドアが指輪を遺してくれた。スニッチの中だよ!!」 It was so obvious, so clear to Harry: Everything fit, everything.... こんな風に訳してみました。 はっきりした。ハリーは、悟った。すべてがつながる。すべてが.... 1) obvious ... 明らかな ここで、スミマセン。 ストーリーの展開から離れて、文法的にちょっと気になることが。everything っていうのは、単数扱いですよね。Everything he said is (×are) true. のようになるわけですが、なのに、なぜこのご紹介した原文(431n)では、Everything fits と単数扱いになっていないんでしょう......う〜ん。どなたか教えてください。 【 追記 】 わかりました! この fit は、過去形だったんですね。私ずっと、fit の過去形は、fitted だとばかり思っていましたが、2つの形があることを初めて知りました。他動詞であるか自動詞であるかによって形が変わること、覚えておきたいと思います。 教えてくれたサークル仲間のEmikoさん、ありがと〜〜〜。 さて。 疑心暗鬼なハーマイオニーと対照的に、ハリーは確信をもっていました。 ちょっとここで、死の秘宝について整理を。 ・ハリーの透明マントが、3つ目の死の秘宝 ・指輪についていた復活の石は、おそらくスニッチの中 ・エルダー・ワンドは、行方知れず(ヴォルデモートが探している) ハリーは、さらに考えます。 死の秘宝について、ヴォルデモートは知っているのだろうか? ..................否。知っているはずがない。なぜなら、 ・ヴォルデモートは、マグルの孤児院で育てられた ・「死の秘宝」についての児童書を読んだことがないはず ・「死の秘宝」を知っていれば、ホークラックスを作る必要はなかった 「あいつは、杖を探しまわっている。ただ強い杖だという理由だけで....」 「死の秘宝」の存在を疑っているハーマイオニーは、ハリーに尋ねます。 「じゃ、どうしてダンブルドアは、あなたに何も話さなかったの?」 「きみが言ったじゃないか、ハーマイオニー! 自分で見つけなくちゃいけないことだからさ! 探求の旅なんだよ!」 「ハリー、これはゲームじゃないわ。お試しレッスンじゃないのよ」 ハリーは助けを求めるように、ロンに言います。 「きみも信じてない?」 「うーん、どうだろ。.....つまり......つながってるとは思うんだけどさ、でも、全体的に見てみると、ボクらはホークラックスを破壊するべきなんだという気がする。だってさ、ハリー、そうダンブルドアに頼まれたんだ。秘宝については、ちょっと忘れるべきなんじゃないかな」 「ありがと、ロン」 ハーマイオニーは言うと、見張りに出て行きました。 2人が賛同してくれなくても、ハリーは考え続けています。秘宝のことを。 もう、それ以外のことは何も考えられなくなっていました.....。 He sought solitude whenever it happened, but was disappointed by what he saw. こんな風に訳してみました。 ハリーは額の傷がうずくたび、1人でいるようになったが、見えてくるイメージにはがっかりさせられた。 1) sought ... seek(探す)の過去形 2) solitude ... 孤独 英文で、it happenedとなっている部分は、その前の英文、つまり「額の傷がズキズキすること」をさしています。 3人で旅をしているというのに、ハリーはできるだけ1人になろうとします。なんだか怪しい雰囲気になってきました。「死の秘宝」を知ってから、彼は1人でいるときのほうが落ち着くようになっていたのです。1人で死の秘宝について考えながら、ヴォルデモートが今、何を見て何を感じているのか、イメージを受け取ろうと悪戦苦闘しています。別人のように変わってしまったハリーを見て、ロンは「3つのホークラックスが残ってるんだぜ! 動き出さなきゃ、な!」と声をかけますが、ハリー君、あんまり聞いてません。 スナッチャーの姿を目撃したとき、ロンが言いました。 「やつらは、デスイーターよりたちが悪いんだ。ポッターウォッチで言ってたよ」 「は? なんだそれ?」 と、ハリー。 ポッターウォッチとは、ラジオ番組の名前だそうです。騎士団のようにハリーを支援し、デスイーターに対抗する情報をオンエアしている謎の番組なのだとか! クール! チューニングに四苦八苦していたロンが、「アルバス」のパスワードを使って周波数をあわせることに成功しました。ラジオにもなる便利なデルミネーターの周りに集まり、謎の放送を聴きはじめる3人.....。 ............ばらくの間、放送できずに申し訳ありませんでした。ここのところ、素敵なデスイーター君たちが近所を訪問しまくりで... 「リー・ジョーダンだわッ」 と、ハーマイオニー。 放送には、なんとフレッドやキングスリー、ルーピンまでが登場しています。もちろん、デスイーターに悟られないよう偽名を使って....。釘付けになっている3人の耳に、悲しい情報が飛び込んできました。 ・テッド・トンクスが殺害された ・一緒にいたディーン・トーマスは、ゴブリン1人と逃亡中 ・マグルの5人家族が、闇の魔法で殺されているのが発見された ・バチルダ・バグショットは数ヶ月前に殺されていることが判明 ・気づかれないよう、魔法でマグルを守っている魔法使いがいる 番組の中で、ルーピンは、ハリーにメッセージを送ります。 「生き残った男の子は、我々が戦っているものすべてのシンボルだ。すなわち、善の勝利、潔白の力、そして抵抗し続けることの必要性」 ............すみません、うまく訳せません。 司会のリー・ジョーダンは、さらにルーピンに質問します。 「もしハリーがこの放送を聞いていたら、なにを伝えたいですか?」 すると、彼は.......... "I'd tell him we're all with him in spirit," said Lupin, then hesitated slightly. "And I'd tell him to follow his instincts, which are good and nearly always right." こんな風に訳してみました。 「我々の心はいつも一緒だと、そう伝えたい」 ルーピンはそう言うと、ちょっとためらいがちに続けた。 「それから、私は彼の直感を支持すると...。信頼でき、そして、ほとんどいつも正しい彼の直感をね」 1) hesitate ... ためらう、躊躇する 2) instinct ... 本能 なんと感動的なシーンでしょう....。第11章で、身ごもったトンクスを置いてきたルーピンに「弱虫」とひどい言葉を浴びせてしまったハリーです。ケンカ別れのようになっていた2人が、今この瞬間、再び同志として結びついたのですから! 「あれ、言わなかったっけ?」 と、ロン。 「ビルが言ってたよ。ルーピンはトンクスと暮らし始めたんだって」 よかったよかった〜〜〜! ハリーの思い、ちゃんとルーピンに通じてたんだ。 ルナのお父さんも無事であることが判明しました! ただし、アズカバンかどこかの牢獄にとらわれているようですが。ハグリッドも、巨人の弟と逃亡中であることがわかりました。理由は、「ハリー・ポッターを応援しようパーティ」を開き、デスイーターに見つかってしまったからだとか。おいおい.....ハグリッドらしいですけどね。 最後に、フレッドがリスナーに声をかけます。 「闇のアイツは流し目だけで人を殺すなんて、そんなウワサがあるみたいだけど、みんな、そりゃバジリスクの話さ。簡単なテストがある。じろ〜っと見てるヤツがいたら、まずそいつに足があるか確認してくれ。もし足があるんだったら、目を見たって何てことはない。まぁ、そいつが本物の例のあの人だったとしてもだな、それであなたはおしまいってことになるんだけどさ」 何週間ぶりのことか、ハリーは大笑いしました。 身体中の緊張感が、一気に抜けていくようでした。 「......次回の放送がいつになるかはわかりませんが、ぜひまたお楽しみに。次回パスワードは、マッド・アイです。おやすみなさい」 ...............放送が終わりました。 「すごいだろ?」 と、ロン。 「最高だよ」 と、ハリー。 「勇敢だわ......でも、もし見つかったら」 「移動してるんだよ。ボクらみたいに」 「フレッドが言ってたの、聞いただろ?」 と、ハリー。 「あいつは、外国にいるんだ! あの杖を探しているんだよ! やっぱりな!」 「ハリーったら.....」 「いい加減にわかってくれよ、ハーマイオニー、なんでそうも認めたがらない? ヴォル....」 「ハリー、やめろッ!!」 「......デモートがエルダー・ワンドを追いかけてるって事を!」 あ〜〜〜〜〜あ。................ハリー、言っちゃった。 The Sneakoscope on the table had lit up and begun to spin; they could hear voices coming nearer and nearer: rough, excited voices. こんな風に訳してみました。 テーブルの上のスニーコスコープが点灯し、くるくる回りだした。ハリーたちの耳に、だんだん近づいてくる数人の声が聞こえた。荒っぽく、興奮した声が。 1) Sneakoscope ... スニーコスコープ(怪しい人が近くにいると知らせる装置) 2) rough ... 荒い ひえ〜〜〜。言わんこっちゃない。 あれだけロンが注意してくれていたのに、死の秘法のことで興奮しすぎていたハリーは、うっかりヴォルデモートの名前を口にしてしまいました! ロンはデルミネーターを使い、テント内の灯りを急いで消しましたが........ 第22章のおわり 第22章は、こんな風に締めくくられています。 「手を上げて出て来い!」 これで第22章は、終わりです。 いつも読んでくださっているみなさん、ありがとうございます♪ ぜひ一緒に原書を読んでみませんか? 私自身の勉強のために、頭を悩ませながら日本語訳を書いていますが、とんでもないカン違いなどありましたら、どうぞ遠慮なく教えてください! ハリポタ大好きというみなさんのご感想、心からお待ちいたしております。 参加しています♪ |
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ハーマイオニーの頭脳は素晴らしいですね。とっさにこれだけ考えて行動できるなんて・・・。 |
ぴよぴよ 2007/10/09 14:25 |
ぴよぴよさん、こんにちは! |
Emi 2007/10/10 16:12 |
いつも丁寧なお返事ありがとうございます。 |
ぴよぴよ 2007/10/10 22:25 |
ぴよぴよさん、いえいえ、こちらこそです^^ |
Emi 2007/10/11 09:10 |
今日、このEmiさんのコメントを見つけて嬉しくなりました!7巻が終わったら、1巻からまたBLOGを続けてくれるんですか?!そうなら、とてもうれしいです♪ |
みさと 2007/11/12 16:54 |
みさとさん、そうなんですよ〜〜〜。1巻からまた書いていきます。こりゃ当分の間ハリポタにどっぷりですね。一緒に読みましょう! |
Emi 2007/11/14 09:48 |
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