【ネタバレ注意です】 【第7巻 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 これまでの目次】 第24章のあらすじ 囚われていたハリーたちを、マルフォイの屋敷から助け出してくれたドビーが殺されてしまった。傷心のハリーは、ドビーのために墓を掘りはじめる。これまでに起きたこと、ヴォルデモートの行方....、時間も忘れ、身体を動かして考えているうちに、ハリーの脳裏に浮かび続けていたヴォルデモートのイメージがストーリーとしてまとまっていった。ドビーの埋葬を終えたハリーは、杖職人オリバンダーとゴブリンのグリップフック2人から、「死の秘宝」と「ホークラックス」にまつわる情報を聞きだそうとする。ロン、ハーマイオニーとともに彼らの話を聞いたハリーは、ヴォルデモートがいよいよ探し求めていたエルダー・ワンドに近づきつつあることを感じとった.........!! 第24章のはじまり 第24章は、こんな英文ではじまります。 It was like sinking into an old nightmare; for an instant Harry knelt again beside Dumbledore's body at the foot of the tallest tower at Hogwarts, but in reality he was staring at a tiny body curled upon the grass, pierced by Bellatrix's silver knife. こんな風に訳してみました。 過去の悪夢に沈んでいくようだった。一瞬、ハリーはホグワーツの尖塔の下に倒れているダンブルドアの遺体のかたわらにひざまずいていた。しかし、現実には、ベラトリクスの銀色のナイフが突き刺さった小さな身体が、目の前の芝生の上によじれて倒れているのだった。 1) for an instant ... ちょっとの間 2) pierce ... 突き刺す 「ドビー......」 どんなに呼んでも、もう戻って来てはくれない。彼もまた、行ってしまったのです。 ハリーのそばに、ビルとフラー、ディーンとトーマスがいました。ハーマイオニーはロンに付き添われ、家の中に入っていったようです。ハリーはドビーの胸からナイフを抜き取ると、自分のジャケットで小さな身体を包みました。 ハリーの脳裏に、ヴォルデモートの姿がイメージとして浮かびます。再びハリーを逃してしまったベラトリクスやルシウスらを、激しく罰しているようでした。 「ちゃんと埋葬してやりたい」 ハリーは言いました。 「魔法を使わずに.......」 それからハリーはものも言わず、ただ1人で庭の隅を掘りはじめました。 第24章がわかる英文チェック 次の4つの英文を読めば、この章がわかるかも!? He dug with a kind of fury, relishing the manual work, glorying in the non-magic of it, for every drop of his sweat and every blister felt like a gift to the elf who had saved their lives. こんな風に訳してみました。 抑えようのない怒りを覚えながら、ハリーは地面を掘った。身体を動かしていたかった。魔法など使いたくなかった。したたる汗の一滴一滴、(指にできる)水ぶくれのひとつひとつが、みんなの命を救ってくれた妖精への贈り物だった。 1) fury ... 憤怒、激怒 2) relish ... 好む 3) glory ... 喜ぶ、誇りとする 4) blister ... 水ぶくれ ハリーは、深く深く穴を掘ります。規則的な鍬の音が、秘宝....ホークラックス...秘宝...ホークラックスと、リズムになって心に響いていました。前章でチラチラと見えていたイメージの意味が、ハリーにはわかりかけていました。マルフォイの屋敷にとらわれていた間、ヴォルデモートがいた場所.......。そこは、ナーマンガード牢獄に違いありませんでした。緑の閃光で命を落としたあの老人は、ダンブルドアとの決戦に敗れて以来ずっと幽閉されていたグリンデルバルドだったに違いない。 無言で穴を堀り続けることで、ハリーの心はまっさらになっていたようです。 なぜペティグリューがあのような死に方をしたのかについて、このような解釈をしています。つまり、(ハリーに対して)無意識のうちに、わずかな慈悲心を抱いたせいなのだと....。ヴォルデモートに忠誠を誓っているデスイーターのペティグリューだったために、あの銀色の手は裏切り者の首を絞めたのかもしれません。 ロンとディーンがドビーの埋葬を手伝い始めます。そこに、ビルとフラー、ハーマイオニー、ルナもやってきました。ルナの提案で、ドビーに最後の言葉を贈ります。最初にゆっくりと語り始めたルナのセリフが感動的です。 「ドビー、地下室から助けだしてくれて本当にありがとう。あなたが死んでしまうなんて不公平だわ。とっても勇敢で、正しいことをしたのに.....。あなたが私たちにしてくれたこと、一生忘れない。今このとき、あなたがシアワセでいてくれることを願っているわ」 埋葬が終わると、ハリーは1人その場に残ります。周囲を見まわし、大きな石を拾いあげると、ドビーが埋葬された地面の上に置きました。ポケットに2本の杖が入っていることに気づくハリーは、その杖のうち、指にしっくりとなじむ短い杖を取り出し、墓石がわりに置いた石の上に、こんな言葉を書きました。 自由な妖精 ドビー、ここに眠る コテージに入っていくと、ビルが話しているところでした。 ・ロンの家族は、ミュリエルおばさんの家に隠れていること ・ウィーズリーおじさんが、秘密の守り人であること ・コテージも隠れ家となっていること(守り人は、ビル) ・杖職人のオリバンダーとゴブリンのグリップフックも、ミュリエルおばさんの家に移動する予定であること 「ダメです」 と、ハリー。 「2人と話さなくちゃいけない。大事なことなんだ」 フラーは反対しますが、ハリーは断固として譲りません。とうとうビルが承諾し、オリバンダーとグリップフックのどちらと先に話がしたいか、ハリーに尋ねました。ハリーはためらいました。ホークラックス(オリバンダー)の話が先か、秘宝(グリップフック)の話が先か.....? 「グリップフックと話したい」 ハリーは答えました。 「ロン、ハーマイオニー、一緒に来てくれ!」 と、2人を呼びます。拷問を受けていたハーマイオニー、大丈夫なのかなぁ。 「気分は?」 と、声をかけるハリー。 「きみ、すごいよ。あの女が拷問している最中に、あんな話を思いつくなんて...」 ハーマイオニーは弱々しく微笑み、ロンがその肩を抱きます。いい感じねぇ♪ 別室に、グリップフックが運ばれてきます。 「お前さんは、変わった魔法使いだ」 そうハリーに言うグリップフック。 「どんな風に?」 「墓を掘っとった」 「それが?」 「ゴブリンまで助けおった」 「なんだって?」 「わしをここに連れてきたろう。命を救った」 「それを後悔してるってわけじゃないだろ」 「いいや、ハリー・ポッター。.....だが、お前さんは変わった魔法使いだ」 「わかってる。...で、頼みがあるんだ」 いよいよ核心に迫るハリーです.....。 "I need to break into a Gringotts vault." こんな風に訳してみました。 「グリンゴッツの地下貯蔵室に忍び込みたいんだ」 1) break into ... 侵入する 2) vault ... 地下貯蔵室 へ? と思ってしまいました。なんでまた、グリンゴッツに!? グリンゴッツというのは、ゴブリンが経営している魔法界唯一の銀行です。「賢者の石」でロンドンのダイアゴン横丁を訪ねたとき、ハリーが教科書や大鍋などを買うお金をおろすため、ハグリッドと最初に出かけたのが、この場所でした。ホグワーツの次に安全な場所と言われています。 「そんなのムリじゃ」 と、グリップフック。 「いや、ムリじゃない。ボクたちが最初に会った7年前にも誰かが入してる」 ハリーの目的は、ベラトリクスの貯蔵室でした。ハーマイオニーがグリンゴッツに侵入し、グリフィンドールの剣を自分の貯蔵室から盗んだと思い込んでいたベラトリクスは、異常なまでに激しく動揺していました。きっと、彼女の貯蔵室には、まだ貴重なモノが保管してあるに違いない。.....ホークラックスなのかも? ところが、魔法使いとゴブリンの仲違いを理由に、グリップフックはグリンゴッツ銀行に侵入する手助けはムリだとゴネゴネ渋ります。とうとうカッとなったハーマイオニーが、自分自身のことをマグル呼ばわりまでし、ベラトリクスにやられた首の傷を見せながら、懸命にグリンゴッツを説得しようとしました。 「ドビーを自由にしたのはハリーなのよ。私たちは、何年も妖精を自由にしようと頑張ってきたわ。魔法使いから受けた仕打ちよりもっとひどいことを、あなたはヴォルデモートにしてもらいたいわけ!?」 グリップフックは、怒ったように言いました。 「ちょっと考えさせてくれ」 煮え切らんヤツだ。 次は、オリバンダーの番。彼が安静にしている部屋へ、3人は向かいます。 「オリバンダーさん、お邪魔してすみません」 すっかり痩せこけてしまっていますが、グリップフックと違って、とっても協力的なオリバンダー老人です。ハリーは不死鳥の杖を見せ、直るかどうか尋ねました。答えは「残念だが、ムリ」でした。あまりにも損傷が激しくて、どのような修理方法もないというのです。あ〜あ。 ハリーは自分の杖をハグリッドからもらったポーチにしまい、マルフォイの屋敷から逃げるときにドラコの指からひったくった2本の杖を取り出しました。 "Can you identify these?" Harry asked. こんな風に訳してみました。 「この杖が誰のか、わかりますか?」 ハリーは尋ねた。 1) identify ... 正体(身元)を確認する these は複数形なんですが、「これらの」という風に訳すと、なんだかちょっと違和感がありました。なので、勝手に「この」という和訳にしてしまってます。 オリバンダーは答えました。 「この杖は、ベラトリクスが持ってたな。こっちは、ドラコ・マルフォイの杖だった」 「だった?」 と、ハリー。 「今も彼の杖ではないんですか?」 「おそらく違うだろう。もし、きみが取ったのなら...」 「取りました」 「それなら、きみの杖だ」 オリバンダーの話によれば、杖の持ち主は変わりうるものだというのです。 「杖が魔法使いを選ぶんだよ」 「杖に選ばれていない魔法使いでも、その杖を使うことはできるんですか?」 「ああ、できるとも」 ただし、杖と魔法使いがお互いに共鳴しあう場合の方が、よりパワフルな魔法を生み出すことができるのだとか。ま、そりゃそうでしょうね。マルフォイを打ち負かしたハリーは、彼の杖の新しい主人となったのです。 そこで、再び核心に迫るハリー....。 「それって、すべての杖にあてはまることなんですか?」 「そう思うよ」 「杖の持ち主を殺して手に入れる必要はないんですね」 「殺す必要はないよ」 「でも、伝説では、杖は殺人によって手から手へと渡っているでしょう」 オリバンダーの顔が青ざめます。 「たった、1本の杖だけだよ」 「例のあの人も、興味をもっていましたね?」 ハリーの言葉に驚き、オリバンダーは恐怖におびえた表情を浮かべました。 "Yes, he asked," whispered Ollivander. "He wanted to know everything I could tell him about the wand variously known as the Deathstick, the Wand of Destiny, or the Elder Wand." こんな風に訳してみました。 「ああ、彼は聞いてきた」 オリバンダーはささやいた。 「わたしが知っていることすべてを聞きたがった。デススティック、運命の杖、それからエルダー・ワンドと様々な名で知られている杖のことを」 1) variously ... いろいろに、さまざまに ヴォルデモートは、オリバンダーのあつらえた杖にずっと満足していました。ハリーの杖が、自分のものと同じ不死鳥の兄弟羽根を芯にしていることを知るまでは....。ルシウスの杖を借りても、第4章で破壊されてしまったように、まったく歯がたちません。そこで、彼は最強の杖と言われているエルダー・ワンドを求めたのです。ハリーを征服できる唯一の杖だと信じて。 「でも、あいつはわかるはずさ。ボクの不死鳥の杖が壊れていることを」 「どうして、ありえないわ!」 と、ハーマイオニー。 「きみの杖をマルフォイの屋敷に置いてきてしまったからさ。やつらが調べれば、きみがどんな魔法を使ったかバレてしまう。ボクの杖を壊してしまったことも、修復しようとしたことも。ボクがきみの杖を使っていたこともわかってしまうだろう」 「闇の帝王は、きみをやっつけるためだけにエルダー・ワンドを探しているのではないよ。彼は信じているのだ。あの杖があれば、不死身でいられると」 と、オリバンダー。 「そうなるんですか?」 「エルダー・ワンドの持ち主は、いつも攻撃されることを恐れている。しかし、デススティックを手に入れようという闇の帝王の考えは....正真正銘、とてつもなく怖ろしいものだ」 オリバンダーに向かって、ハリーが言いました。 「あなたが、グレゴロヴィッチが杖をもっていると言ったのですね」 え〜? オリバンダーが、グレゴロヴィッチが持っているって言ったの!? グレゴロヴィッチとは、クラムの杖も手がけた杖職人です。覚えてますか? オリバンダーは、大慌てです。それが理由でグレゴロヴィッチは殺されてしまったのですから、当然です.....。脅されて仕方がなかったのかもしれませんが、良心の呵責にずっと悩まされて生きていくことになるのでしょうね。ハリーは死の秘宝についてもオリバンダーに質問しますが、こちらの話は何も知らないようです。 ちょっと、ここで整理します。 ・ずっと昔、グレゴロヴィッチがエルダー・ワンドを持っていた ・グリンデルバルドが、彼から盗んだ ・グリンデルバルドは杖を使い、パワフルな闇の魔法使いになった ・ダンブルドアがグリンデルバルドを倒し、エルダー・ワンドを手に入れた 「ダンブルドアが、エルダー・ワンドを!?」 びっくり仰天のロンです。 「ホグワーツにあるんだ」 と、ハリー。 「じゃ行かなきゃ! ハリー、行こう! 例のあの人が手に入れる前に!」 「もう遅いよ。先に気づいてる。あいつはもうホグワーツにいるんだ」 「ハリー! どれくらい前から知ってたんだ。なんでグリップフックから先に話を聞いたのさ。もう向かってるはずだったのに、まだ間に合うかも」 「いや、ハーマイオニーが正しかった。ダンブルドアは、ボクにエルダー・ワンドを持たせたくなかったんだ。ホークラックスを見つけてほしかったんだ」 「最強の杖なんだぜ〜」 と、どうにも諦めのつかないロンです。 そのとき、またイメージが見えてきました。 ヴォルデモートがスネイプと湖畔を歩いています。1人になったヴォルデモートは、ダンブルドアの墓に向かいました。白い大理石の墓石.....墓が暴かれます.....青ざめたダンブルドアの遺体.....胸に置かれた手の下にある1本の杖..... ヴォルデモートの顔に浮かぶのは、嘲笑? あざけり? あざ笑い? 第24章のおわり 第24章は、こんな風に締めくくられています。 この愚かな年寄りは、大理石や死がこの杖を守ると信じていたのか? 闇の帝王が墓を暴くことを怖れるとでも思っていたのか? ヘビのような手が伸び、ダンブルドアが握りしめていた杖を抜き、ひったくった。と同時に、杖の先から閃光が噴き出した。以前の所有者であった(ダンブルドアの)遺体の上に火花を散らし、ついに(杖は)新しい主人に仕える準備が整ったのだ。 これで第24章は、終わりです。 いつも読んでくださっているみなさん、ありがとうございます♪ ぜひ一緒に原書を読んでみませんか? 私自身の勉強のために、頭を悩ませながら日本語訳を書いていますが、とんでもないカン違いなどありましたら、どうぞ遠慮なく教えてください! ハリポタ大好きというみなさんのご感想、心からお待ちいたしております。 参加しています♪ |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
He dugのシーン、ハリーはドビーの死を魔法界の誰より深く悲しみ、誰よりも深く後悔したのではないでしょうか。もし、自分が魔法界に帰属(入って)来なければ、ドビーとも会わずに済んだし、そうすれば、ドビーはフリーにならないし、辛いながらもマルフォイ家で一生を遂げられただろうと。自分を助ける為、自分の仲間を助ける為に、犠牲にならなくてすんだだろうに、と。 |
けんにぃ 2007/10/11 23:05 |
コメント500文字制限の為、分けます(笑) |
けんにぃ(引き続き) 2007/10/11 23:25 |
ドビーを埋葬するシーンは自分がそこにいるかのように頭の中に映像として浮かびます。切ないです。今日も23,24章を読み返しハリポタ漬けの私。 |
ぴよぴよ 2007/10/11 23:38 |
けんにぃさん、ドビーのシーンは、とっても丁寧に描かれていると思いませんか? ローリングさんのドビーに対する思いが伝わってくるような気がします。ハーマイオニー役のエマ・ワトソンも、ドビーのキャラクターを気に入っていたので、がっかりしているかもしれませんね! |
Emi 2007/10/12 08:42 |
ぴよぴよさん、いつも記事を丁寧に読んでくださってありがとうございます! おまけに欠かさず感想をお寄せくださり....書いている本人としては、とっても嬉しい応援をいただいてます。これからも頑張りますね! |
Emi 2007/10/12 08:45 |
うわぁ〜!こちらこそすごく嬉しいです!大好きなハリポタを、とてもわかりやすく解説してくださって感謝の嵐です!私がもっとパソコンを使いこなせれば、ブログに参加も出来るのですが・・・。 |
ぴよぴよ 2007/10/12 20:59 |
ぴよぴよさん、 |
けんにぃ 2007/10/12 21:21 |
けんにぃさん、ありがとうございます。 |
ぴよぴよ 2007/10/12 22:17 |
え、これ「フラー」なんですね^^; |
Emi 2007/10/12 22:33 |
けんにぃさん、ありがとうございます。フランス語なんてサッパリですので、読み方もわからず....英語で読んで済ませてしまいました。名前って難しいですね。別ブログで先日、「ミス・ポター」の記事を書いたのですが、主演女優はレニー・ゼルウィガーか、レネー・ゼルウィガーかで話題になっていました。 |
Emi 2007/10/12 22:36 |
外国の名前をどういうカタカナで書くかって難しい問題ですよね。国によって、チャールズ、カルロス、シャルルみたいに変わったりするし。 |
チビ 2007/11/10 01:13 |
チビさん、こんにちは! |
Emi 2007/11/10 10:03 |
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