【ネタバレ注意です】 【第7巻 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 これまでの目次】 第3章のあらすじ ダーズリー家。苛々しているバーノンおじさんが、大声でハリーを呼びよせ、「気が変わった」(I've changed my mind.)と告げる。何の気が変わったのかというと、お引越し。ヴォルデモートの襲撃から逃れるため、密かに避難することになっているのに、バーノンおじさんは荷造りをしたり、荷をほどいたりと、一向に落ち着かないのだ。 17歳になってしまうと、ハリーを守り続けていた母親リリーの魔法の効力は消えてしまう。ハリーの身内であるダーズリー家にも、十分に危険がせまる恐れがある。安全な場所に避難するべきだと、魔法省のキングスリーやロンの父親から説得されていたはずなのに、避難する当日になっても、バーノンおじさんは「わしらの家を横取りするために仕掛けたワナなんじゃないのか......!?」と疑ってかかっているのだ。いい加減うんざりしながら、ハリーは、復活したヴォルデモートがマグル社会にどれだけ災難をもたらしているかを説く。 「今すぐ逃げなければ、ボクの両親のようにみんな殺されてしまうんだぞ!」 そう力説する彼の言葉を素直に受け入れたのは、なんと従兄弟のダドリーだった。ヴォルデモートとの対決を前に単独行動に出るハリーの身を、ダドリーは案じる素振りさえ見せる。ハリーは戸惑いながらも、「いったいどうしたんだよ。ディメンターに違う人格でも吹き込まれたのか」とからかうと、「わからない」(Dunno.)と答えるダドリー。憎みあうような関係にあった2人の従兄弟は、別れを前に初めて心のこもった握手を交わすのだった。 第3章のはじまり 第3章は、こんな英文ではじまります。 The sound of the front door slamming echoed up the stairs and a voice yelled, "Oi! You!" こんな風に訳してみました。 バタンとドアが閉まる音が階段の下から響き、怒鳴り声がした。「お〜い! お前!」 1) slam ... バタンと閉まる 2) echo ... 反響する 3) yell ... 大声をあげる ハリーとともに命の危険にさらされていることを知り、荷造りをはじめたバーノンおじさんですが、どうにも納得できません。あまりに非現実的な話に、すべてハリーの陰謀ではないかと心配でたまらないのです。 この文の頭は、The sound から slamming までとちょっと長いので、ここを勘違いしてしまうと意味をとるのに手間取ってしまいます。 「お前にちょっと話がある」というバーノンおじさんの言葉は、I want a word. となっていました。かなりキツイ言い方かもしれませんが、子育てには使えそう。 第3章がわかる英文チェック 次の5つの英文を読めば、この章がなんとなくわかるかも? These accidents aren't accidents.....the crashes and explosions and derailments and whatever else has happened since we last watched the news. こんな風に訳してみました。 偶然に起きた事故なんかじゃない。衝突事故も、爆発事故も、脱線事故だって何だって、みんなボクらが最後に報道を見てから起きていることなんだ。 1) derailmet ... 脱線 衝突事故 crash 爆発事故 explosion 脱線事故 derailment どれもありがたくない単語ではありますが、新聞にはよく出てくるご時世かもしれませんね...。 この他にも、ハリーは、人が行方不明になったり殺されたりしているその背後には、マグルを排除しようとたくらむヴォルデモートがいると言います。厄介な濃霧をひき起こしているのは、吸魂鬼(ディメンター)だというのですから、襲われた経験のあるダドリーがたじろぐのも無理はありません。ヴォルデモートから逃れるために避難しようとしているのに、何度も疑ってかかるバーノンおじさんにうんざりしていたハリーですが、とうとうダドリーが「騎士団の人たちに従うよ」と言い、ぼやき続けていたバーノンおじさんの決心も固まったようです。 The prospect of parting....probably forever....from his aunt, uncle, and cousin was one that he was able to contemplate quite cheerfully, but there was nevertheless a certain awkwardness in the air. こんな風に訳してみました。 ペチュニアおばさん、バーノンおじさん、そして従兄弟から離れられる....おそらく永遠に....その未来予想図は、きわめて心躍る計画のひとつでもあったのだが、それにもかかわらず、なんとなく居心地の悪い雰囲気がただよっていた。 1) prospect ... 見込み 2) contemplate ... じっくり考える 3) nevertheless ... それにもかかわらず 4) awkwardness ... 間の悪さ 16年間も忌み嫌ってきた相手に対し、最後の別れにどんな言葉をかければいいのだろうと、ハリーの心は落ち着きません。そこに現れたのは、Dedalus と Hestia の2人。ダーズリー家を無事に避難させるため、やってきたのです。姿くらましできる場所まで行かなければならないと言う Dedalus は、「あなた、車は運転できますか?」とバーノンおじさんに余計なことを尋ねるのですが、その結果おじさんはバカにされたと勘違いして不機嫌になってしまいます。 「それじゃ、きみは」 と、Dedalus がハリーに言いました。 「ここで護衛隊が来るのを待っているんだよ。ちょっとばかり計画が変わってね」 "What d'you mean?" said Harry at once, "I thought Mad-Eye was going to come and take me by Side-Along Apparition?" こんな風に訳してみました。 「どういうこと?」 ハリーはすぐに聞いた。「マッド・アイが来て、『並んで出現の術』でボクを連れて行ってくれるんだと思ってましたけど」 1) at once ... すぐに 2) apparition ... 亡霊、(突然の)出現 力不足とセンスのなさが悔しいのですが、Side-Along Apparition は、『並んで出現の術』以外にうまい訳を思いつきませんでした......。翻訳ってホント大変ですね。 この術は、第6巻の第4章で、ダンブルドアがハリーをスラグホーンの家に連れていったときに使った術と一緒なのかな? ちょっと記憶にありません。 ちなみに、マッド・アイというのは、何人ものデスイーターを捕まえたというベテラン闇払いの1人です。映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」では、マッド・アイのくるくる回るマジカルアイを見ることができます。顔には無数の傷跡があり、身体中のあちこちに戦いの勲章を残しています。アズカバンでおとなしくしている(はずの)闇の魔法使いの大半は、確か彼の手にかかって投獄されたのでしたね。 「行くぞ」 避難することに渋々応じたバーノンおじさんが声をかけますが、 「なんで?」 ダドリーがつぶやきます。 「なんで、ハリーは一緒に来ないの?」 「そりゃ......来たくないんだろ。だろが?」 素っ気なくハリーに尋ねるバーノンおじさん。 「ないです」 「ほらな。行くぞ」 でも、ダドリーは動きません。 「今度はなんだ?」 「でも、だったらハリーはどこに行くの?」 ペチュニアおばさんと顔を見合わせるバーノンおじさん。沈黙.....。 たまらず、Hestia (これ、なんて読めばいい名前なの?)が声をかけました。 「ハリーがどこに行くか知っているんでしょう?」 「ああ、知ってるとも」 と、バーノンおじさん。 「こいつは、お前さんのような連中と一緒に出かけるんだろ? ダドリー、車に乗りなさい。このオジサンの言うことを聞いただろ。急がにゃ」 バーノンおじさんの態度に唖然とする Hestia です。 「いいんだ。たいしたことじゃない、ホントに」 ハリーが言います。 「たいしたことじゃないですって? あなたの苦労を、この人たちはわかっていないの? どんなに危険な目にあっているか! ヴォルデモートに対抗する中心人物として、あなたが特別な存在であるということも!?」 「あ.......そうです。この人たちは、何も知らない。ボクは厄介者だって、そう思ってるから。もう慣れました」 ハリーがそう答えたとき.... "I don't think you're a waste of space." こんな風に訳してみました。 「きみが厄介者だなんて、そんな風には思わない」 ダドリーの唇が動いているのを見ていなかったら、これが彼の言葉だなんて、ハリーには信じられなかったかもしれない。 1) waste ... 無駄 仮定法過去完了とかって、なかなか文法書を読んでいるだけでは身につかないんですが、映画のセリフや、こういった登場人物の言葉で覚えていくと、意外にすんなり身体にしみこんでいく気がします。この最後の巻にきて、ダドリーが大きく変わっていることを感じました。いやだ、こ憎たらしい小僧だったのに、ステキに見えてしまうわ。 「あ.....ありがと」 ハリーもビックリしたようです。そりゃそうだわ。 ダドリーの言葉は、それだけではありませんでした。 「ボクの命を救ってくれた」 これは、第5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」でディメンターに襲われたときのことを言っているんですね。ハリーがパトローナスを出さずにいたら、ダドリーの魂は危ないところでしたから。 「命じゃないよ。ディメンターが狙っていたのは、きみの魂だから」 夏の間中、特別に言葉を交わしたわけでもない2人でした。プリベット通りに帰ってきてからずっと、ハリーは部屋にこもっていることが多かったからです。 It now dawned on Harry, however, that the cup of cold tea on which he had trodden that morning might not have been a booby trap at all. こんな風に訳してみました。 今になってハリーは、今朝踏みつけてしまった冷えた紅茶入りのカップは、もしかしたらバカげたイタズラなんかじゃなかったのかもしれないと思った。 1) dawn on ... (真実などが)わかりはじめる 2) trodden ... tread の過去分詞 踏みつける 3) booby ... ばか者 4) booby trap ... 対人兵器の名前 ブービートラップについては、沖石さまから情報をお寄せいただきました。沖石さん、ありがとうございます! 詳しくは、ウィキペディアの解説をご確認ください。 このハリーのセリフは、前回の第2章にでてきたシーンにつながっています。ダドリーの心境についての詳しい説明はないのですが、もしかしたらダドリーは、夏期休暇中ずっと部屋にこもっているハリーに対して、なにがしかの感謝の気持ちを伝えたいと思っていたのかもしれません。ドアをノックしたかったけれど、それができなかった。せっかくいれた紅茶を、ドアの前に置いていなくなってしまうダドリーの姿を想像すると、なんだかいじらしくさえあります。 「ばか」という意味で辞書に載っていた booby には、「最下位」という意味もあります。ボウリングなどでよく耳にするブービー賞は、まぁ、ここから来ていたんですね〜。愚か者と最下位は同じってことですか....。 第3章のおわり 第3章は、こんな風にしめくくられています。 ペチュニアおばさんは立ち止まり、ふり返った。ほんの一瞬、おばさんが何か自分に言いたそうにしている、そんな奇妙な感じがした。どこか不自然な、震えるような目でハリーを見つめたおばさんは、口にすべきかどうか迷っているようにも見えた。が、不意に頭をぐいっともたげ、夫と息子の後を追って、逃げるように部屋から出て行ってしまった。 第7巻が出版される前、こんなウワサが飛び交っていました。 「ペチュニアおばさんにも、実は重大な秘密があった」と....。 最終章まで読んで、やっとそれが何だったのか理解できたのですが、私はその秘密を知って、もっともっとペチュニアおばさんの態度がわからなくなりました。11歳になるまで、階段下の小部屋に寝泊りさせたり、学校の制服を買ってあげなかったり、どうして、ここまで血のつながりがあるハリーに対して辛くあたることができたのか納得できないのです。.....でも、考えてみれば、この世には納得しがたいことが多いもの。ペチュニアおばさんは、それだけ厳しい葛藤を味わっていたのかもしれませんね。 これで、第3章はおしまいです。 日本語訳、英文とも、勘違いしている箇所がありましたら、ご教示ください。 参加しています♪ |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
訳せるなんて凄いですね!! |
matsurika 2007/08/22 02:43 |
コメント第1号! とっても嬉しいです。 |
matsurikaさま 2007/08/22 13:18 |
Emiさん、いつもブログを楽しく拝見させていただいています。第一巻、第二巻は英文で読みましたが、 |
Hilda 2007/08/22 14:05 |
すみません訂正です。最終章ではなく第7巻の最終巻を購入しました。ブログで紹介されたハリー・ポッター前夜祭も購入しましたが、主人が今はまって読んでいます。 |
Hilda 2007/08/22 14:39 |
ありがとうございます! |
Hildaさま 2007/08/23 18:13 |
こんにちは、お邪魔しま〜す |
とまる 2007/08/24 12:00 |
とまる様、コメントありがとうございます。いつもお名前は「リウマチばあちゃん」さんのブログで拝見していました。私もすべてをキチンと把握しているわけではないのですが、とにかく英語で読むのが楽しくて、ここまで何とかやってこれました。本がぼろぼろになるまで、私も読み続けようと思っています。 |
Emi 2007/08/24 22:26 |
初めまして。私も錆び付いた頭で原書を読んでいます。学生時代に海洋小説を原書で読んだ頃はもっと読めたのに、悪戦苦闘です。 |
沖石 2007/08/29 00:57 |
はじめまして、沖石さん! |
Emi 2007/08/29 14:48 |
こんにちは、 |
チビ 2007/11/02 08:10 |
チビさんの読み、私はバッチリ当たっていると思います。羨ましさからきているから、だからこそタチが悪いんですよ。本人(自分自身)も認めたくないですしね。ペチュニアおばさん、気の持ちようでは幸せになれたのに可哀想そうです。 |
Emi 2007/11/02 11:06 |
こんにちは。改めて7巻巻頭から順に拝見しているところです。 |
ねこ 2008/02/18 13:44 |
ねこさん、思い出させてくれてありがとうございます! 確かにおっしゃるとおりかもしれません。松岡さんの訳をこのときは確認していなかったのですが、「並んで...」というのも素人っぽくていいかなと、ちょっと気に入っております(*^^*) |
Emi 2008/02/19 09:37 |
初めまして。中二ですが7巻の原書を買って読んでいます。待ちきれなかったので・・・。 |
kuni 2008/06/28 13:58 |
kuniさん、はじめまして! 中2ですか....。私にもありました(*^^*) すでにハリポタを通じて英語に興味をもっていらっしゃるkuniさん、未来は明るいですよ〜〜〜〜。がんばって勉強してくださいね。大人になると、なかなか勉強できなくなってしまいます。今がチャンスです♪ |
Emi 2008/07/02 08:26 |
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